2024/07/02

八海山八ツ峰の順番に正解はあるのか...?

 


広堀の八ツ峰研究家(自称)、

和快チャラ男です。

言ったもん勝ち...



....


で、

オリジナルTシャツのデザインについて、

試行錯誤した結果、

現状のデザインで販売したいと思います。


通常版。






で、

「Mt.HAKKAI」と記しているにもかかわらず、

他の峰について、

例えば、「Mt.Yakushi」とせずに、

「Yakushidake」にしているのは、

単にわかりやすさと、デザイン重視です...

ご了承くださいませ。


スマイル版。






また、

八ツ峰の順番も、

色々史料を読んだ結果、

あえて、現在の順番にしています。


そこんとこ、ヨロシクです。


販売開始は、また後日。



...


で、

ここからは、

ホントにマニアックな内容と長文になるので、

興味がない方はドロンしていただいて...(昭和風...)


結論からいいますと、

答えの出ない、

単なる解説になります...



...


で、

八海山八ツ峰をデザインするにあたって、

八ツ峰について色々調べてみました。


先ず、たまに聞かれる、

「七曜岳」は、「ななよう」なのか、

「しちよう」なのか...


城内地区では「ななよう」と言っていますが、

ガイドブックは「しちよう」。


「七曜」とは...

火星・水星・木星・金星・土星に、太陽と月をあわせた天体、七曜星(しちようせい)。

七曜は、空海が唐から持ち帰ったとされています。


『大和町史 中巻』(大和町史編集委員会/編)によると、

「七曜(しちよう)とは、古代中国の天文学で、(中略)月曜・火曜・水曜・木曜・金曜・土曜とした。」


「八海山麓に居住した、江戸時代の修験者たちは、いずれも占いをおこなっている」


と記されています。


「しちよう」とカナが振られています。

七曜星(しちようせい)から名付けられたと考えれば、

「しちようだけ」でいいかなと...


と、いうことで、

和快オリジナルデザインは、

ヘボン式で、「 Shichiyodake 」

と、したいと思います。


「ななよう」が間違っている訳ではなく、

城内地区で、昔から「ななよう」と呼ばれてきたことには、

何か、理由があると思います。

方言的な要素もあるのか...

その理由については答えは見つかっていないのですが...


因みに「七曜岳」に「五大岳」の標柱がある件についてはのちほど...



で、

「白河岳」と「釈迦岳」の順番について。


ここからがかなりややこしい話になるのですが...


『大和町史 中巻』には、

そもそも、地蔵岳は八ツ峰に含まれていないと記されています。

「越後国八海山全図」等の絵図によると、

不動岳・摩利支天岳・七曜岳・剣が峰・釈迦岳・白河岳・大日岳・五大岳

の順番で記されています。


また、

『南魚沼郡誌 続編 上巻』(南魚沼郡誌編集委員会)によると、

地蔵岳・不動岳・七曜岳・剣ヶ岳・白川岳・釈迦岳・五大岳・大日岳

の順番で記されています。


...


どうなってんだ...


ただ、

この『南魚沼郡誌 続編 上巻』は、

昭和46年発行の書なので、

平成3年発行の『大和町史 中巻』がより信頼性があるのか...


現在、存在している標柱は、

地蔵岳・不動岳・五大岳・白川岳・摩利支岳・大日岳の六つ。

このことを考えると、

やはり、『大和町史 中巻』が信頼できるのか...

ただ、

標柱がやけに新しいけど...

いつ建てられたのか...



で、

興味深いこととして、

ふたつの書に、

「剣が峰(剣ヶ岳)」が、第四峰に位置していることと、

謎の「五大岳」が存在することです。



剣が峰につて、

『大和町史 中巻』によると、

「鉄鎖で剣が峰に登ると、右手の下に日の池と月の池があり、そこの道を通れば、城内口の新開登山道(昭和三年開削)に接続する道路がある」


これは、現在の「白川岳」の標柱がある「釈迦岳」になります。

ややこしい...


剣が峰:火山の噴火口、または少しの余裕もない状態の意。


これより先は、本当に危険ですよ

って事なのでしょうか...?

だから、そこから迂回路が開削されたのか...?


っていうか、

峰なのか、岳なのか、

なんで統一しないんだよ...


剣が峰、なんだか微妙だな...

存在したとしても、

「剣ヶ岳」にするのが普通でしょ...

八峰(八剣)って言ってるのに、

剣ヶ岳があるってどうなの...?


...


で、

『大和町史 中巻』には、

「現代の登山家は、八海山の第五峰を白川岳、第六峰を釈迦岳としている。

しかし、「越後国八海山全図」等の絵図は、釈迦岳を第五峰、白河岳を第六峰と記しているので、ここでは古絵図の史料にしたがうことにする。」


(川と河が出てきますが、原文のまま記しています。)


と、記されています。


って、ことは、

現在白川岳の標柱が立っている峰が白川岳であってる訳か...?



ん...

さらに、

「釈迦岳には(中略)鉄梯子で登る」


つまり、現在の摩利支岳が釈迦岳という説明のようです。


どうなってんだ...?



第六峰の白川岳については、


「白川岳の名は、信濃国御岳に最初に登拝した白川磨(しらかわまろ)をまつったために名付けられたものであろう」


らしいです。


順番、

もう、訳がわかりませんね...


八海山ロープウェーで見られる図には、

白河岳(標柱不鮮明)・釈迦岳(白川岳標柱あり)

となってますけど...


...


さらに訳わからないのが、


「「八海山絵図」によれば、

八海山の第七峰は大日岳で、第八峰は五大岳である。

しかし、登山家のなかには、第七峰を五大岳とし、第八峰を大日岳とする人もすくなくない。

だが、ここでは古絵図や古記録によるものとする。

大日岳は八海八峰(八剣)の最高峰で、標高は千七百二十メートルである。」


...

いやいや、

五大岳ってどこよ...?

そもそも、五大岳を八ツ峰にカウントしている登山家っているのか...?


...


「第八峰は五大岳である。(中略)大日岳をあとにして、右へまがり坂をくだると、大きな断崖の上にでる。

三段の鉄鎖でおりると笹や灌木の茂る道となり、日の池の道と分岐した城内の八海山八つ峰道に接続する。」(八つ峰 原文のまま)


...

いや、

だから、五大岳はどこよ...?


まさか、

大日岳の直ぐ後ろ...?


...


現在の七曜岳あたりに五大岳の標柱があるのに...


...


どうなってんだ...


...


七曜は占星、五大(地・水・火・風・空の宇宙構成要素)は風水...

全宇宙が神である...

という、思想?の、

七曜岳と五大岳をひとつの標柱にまとめたのかと思っていましたが...

どうやら別物のようですね...


それが、なんで大日岳の次な訳...?


...


また、


「それぞれの登山口の修験者により、あるいは神社や寺院によって、登拝の順路に相違がでているのである。」


だそうで...


確かに、阿寺道から登れば薬師岳がラストな訳で...

三山縦走で中ノ岳から来れば、

丸ヶ岳(入道岳)、若しくは大日岳から八ツ峰がスタートする訳で...



もう、

結論、現在の順番でいいじゃないか...

ってことで...

どこにも答えが無いんですもの...


そもそも、

八ツ峰も八剣と言われたり、

「八海山」の、名前の由来も、

八階山・八峡山・八湖山...

と、三つあることは有名な話で...

結局、どれが正解かもなく...

諸説ある...

で、まとめられているし...


「八海山の八道」なんてことも書かれているし...



「要するに八階にせよ八峡にせよ山名の由来特異な山頂の鋸歯状の形状にちなんだものであることは確かでその意は多数の階上のような岩峯のある山、若しくは数多の岩峡で刻まれた山と解して差し支えないだろう。」

『南魚沼郡誌 続編 上巻』


...


あ、

広義の意味では阿寺山までが八海山系らしいです...


で、

『大和町史 中巻』には、

八海山は、薬師岳・千本ヶ岳(千本檜)・地蔵嶽・不動岳・摩利支天岳・七曜岳・剣が峰・釈迦岳・白川岳・大日岳・五大岳を登拝するものであるあが、地蔵岳の名は見えない。近代から現代に入って、名付けられた山名であろう。


...?


ちょっと待てよ、

現在標柱が存在しているのは、

薬師岳・地蔵岳・不動岳・五大岳・白川岳・摩利支岳・大日岳・丸ヶ岳

...

八つじゃん...


まさか...

これが真の八ツ峰か...!?


「越後の三の宮は八海大明神とし、八海大明神の本地(仏)は薬師如来としている。」


って事は、

薬師如来が八ツ峰に入っていてもおかしくないぜ...


...


なんてね...


...


余談ですが、

実は、

先日の火渡り終了後、

御嶽教大桃先達に、阿寺山の龍神碑について質問してまして...


その際、

阿寺山は「五竜ヶ岳」、

入道岳は「丸山」と称していました。

修験者によって、峰の呼称が違うようです。


で、

やはり、阿寺山を含めて八海山系のようですね。

とてもとても興味深い話でした...


蛇足ですが、

入道は、悟りを得ること・仏道に入ること...


霊峰であることは確かですね。


...



ま、

結局のところ、

名前の由来も諸説、

八ツ峰の順番も諸説...


と、いうことで、

八ツ峰の順番は、

の現状の順番で、

まぁ~るく収めましょう。


白河岳(標柱不鮮明)、

次が釈迦岳(白川岳標柱あり)で、

いいんじゃないでしょうか。

大日岳から登れば、白川岳が先ということで...


...


だいたいね、

角度にもよるでしょうが、

我が家から八海山を眺めても、

峰は、細かく見れば少なくとも十以上ありますよ、

ホントに...


峡が八つくらいか

...

ん、これが正解か...?


...


また、

史料を読み込んで、

新しい情報がありましたら報告します。

(誰に...?)



和快案の、

薬師岳・地蔵岳・不動岳・五大岳・白川岳・摩利支岳・大日岳・丸ヶ岳

で八ツ峰...

南魚沼市さん、採用してくれないすかね...



長文、失礼いたしました。

おわります。